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大学の大相撲化?!

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4月14日から16日にかけて横浜で開催された、日本内科学会総会(慶応大学の池田教授が会長)で、特別講演をさせていただく機会をいただきました。嬉しいことです。今回で4度目となる日本内科学会での特別講演ですが、今回は前回行なった講演の延長で、大きな枠組みで見た日本の課題について、それからリーダーシップというものについてお話しました。

この講演では「大学の大相撲化」というスライドを使用しました。内容は以下のようなものです。皆さんはどのように考えますか?

日本の大学は現在も「鎖国」状態ではないか?この「グローバル時代」の中で、世界の一流大学はいかに世界中から優秀な学生を獲得するか、そしていかに優秀な学部卒業生を世界に輩出するか、という高い目標を掲げています。優秀な学生を世界に輩出することがその大学の世界での評価であるという認識なのです。それに比べ、日本の大学はいまだに「知の鎖国」(このサイトで“知の鎖国”というキーワードで検索してみてください)状態にあるというのが私の見方です。1月28日のブログ「ダボスから(3) 一流大学人の価値観、情熱、社会的ミッション」も見てください。「そんなことは無理」だというのでしょうか?

10数年前、相撲で小錦が勝ちまくっていたころ、「外国人が横綱なんてとんでもない」という議論がありました。しかし今ではどうでしょう。ちょっと前では曙や武蔵丸、今では朝青龍と、みんな外国人です。これはどんなことを意味しているのでしょうか?モンゴルは言うに及ばず、海外で相撲という文化を理解する人が増え、日本を好きになり、日本を評価するようになってきました。モンゴルでは日本のファンが増えています。

もし日本の大学が“学部”を開放したらどうなるでしょうか?もちろん英語の授業をとるだけで卒業できるようにするのです。日本語の授業をとる人も出てくるでしょう。日本人だって海外の大学へ行けば同じことです。同級生に世界のリーダーになる人も出てくるでしょう。すばらしい国であるという評判も立ってくるでしょう。大学の評価も卒業生の国際的評価によって「グローバル」になってくるのです。

現在、大相撲の力士は758人、そのうち外国人は60名(約8%)、中国人、韓国人もいます。幕内では 42人中12人が外国人(約29%)、三役では8人中3人(約38%)、モンゴルの横綱も入れれば、三役以上は実に9人中4人(約44%)が外国出身になります。春場所では優勝、3賞、全てモンゴル出身者が獲得しました。

大学という、相撲よりももっと開かれていい人材育成の場が、なぜまだ鎖国状態なのでしょうか。何か“ずれている”と思いませんか?途上国の学生に奨学金を出すことも一つです。このようなことで人材育成を通して国家の信頼が上がっていくのです。

ウィンブルドンはプロテニスの目標の一つとなっています。でもイギリス人はほとんど優勝できていません。しかし、イギリスの伝統、国を好きな人は世界中にたくさんいるのです。これを英国の「ウィンブルドン化」といいます。

“学部”を完全に解放している大学の一つが、立命館大学の大分キャンパス「Asia Pacific University」です(小泉総理も昨年11月に訪問されたそうです)。Cassimさんという Sri Lanka出身の方が学長をされています。学部学生の42%が外国人。去年12月に講義(もちろん英語で行ないます)に行きましたが、クラスの30%が日本の学生でした。この若者たちがこれから世界に目を向け、たくさんの国に多くの友達を作っていくかと考えただけで、嬉しくなりませんか?大分の町の評判もこれからどんどん上がっていくのではないでしょうか。

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