グローバル

所得格差は死亡格差へ?

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日本でも国内も貧富の差が広がり、人為的事故が数多く報道されます。あまり、明るい将来が描けないのですね。国民の心は不安で、すさんでくるのです。これは家庭に、そして子供に伝わります。悲惨な事件が起こるのも、こうしたことと無関係ではないでしょう。人間は社会的動物です。一人では生きて行けません。

特に何もなければ、みながそれぞれそれなりに生活していくでしょうけど、何か起こった時は弱者が適応できずに犠牲になりやすいのです。この10年、日本での自殺の増加(約30%増、その増加分はほとんどが40代、50代の男性です、なぜでしょうか)、医療崩壊とか、あまりにひどい無責任「失政」年金制度、非正規雇用増加などなど、グローバル世界の変化に対応できない日本の政府、政治の責任です。貧困の犠牲者は増えるでしょう。

医療と教育、これら社会基盤の公的支援不備は、世代を超えて持ち越される社会の不公平であり、大きな社会不安定要因です。

低所得の人たちは身体の具合が悪くても受診を控える傾向があります。自己負担の増加、収入への不安、家庭内の問題などなど、経済成長期で構築された日本の社会制度がうまく機能しないのです。改革していくための政治、政府、社会が機能しないのです。20世紀後半の数十年にわたって出来上がった「政産官」を巻き込んだ既得権者の構造がしっかり構築されてしまっていて、改革がなかなか進まないのです。政治と役所と産業界の連携ががっちり出来上がってしまっているのです。経済成長しているときは社会への富の再分配が「鉄のトライアングル」でそれなりに機能していました。教育、年金、医療制度など、社会に必須な基本的も制度も機能していたのです。この従来からの既得権者たちが、日本を囲む世界環境の変化に対応できないのです。

「低所得の方たちは早く死ぬ」という現象はいくつも報告されています。これが基本的な人権問題ですが、先日2回にわたって報告したロンドンでの会議、WHOのCommission報告書の核になる大きなメッセージです。日本のようなOECD諸国では、この格差などは国内問題であり、政治の問題。ということは、皆さんが選挙で誰を選ぶかにかかっているということです(納得できなくてもこれが民主主義プロセスの基本ですから)。

この経済格差、健康格差、「寿命格差」について、最近の近藤克則先生たちの成績について朝日新聞に記事があり、私のコメントも掲載されています。もちろんスペースの制限で言い足りないところがあります。私たちのシンクタンク、医療政策機構調査でも同じような人々の行動が見られています。

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